タンポポの種(タネ)  2001年11月2日 改定

シロバナタンポポの実
 タンポポというと上の写真のような実を思い出します。 いまだにこんなのを見つけると折り取ってふーと吹いて飛ばすのが楽しみです。 ところで種はどのぐらい飛ぶのでしょうか。 『植物たちの生』沼田眞によると1%の種が飛ぶ散布限界は風速10m/秒で10kmだそうです。 暴風の時は赤松の種子の例ですが4倍ほど飛ぶそうです。 柳の種はもっとよく飛びますが、タンポポの種も飛行能力では上位だと思います。

 Nikon ネットショップでテレスコマイクロ(望遠鏡と顕微鏡になりニコンのデジカメに接続写真が撮れる)を買いましたが適当な被写体が無いので保存していたタンポポの種を覗いて見ました。

 

タンポポの種 左アカミタンポポ 右シロバナタンポポ アカミタンポポの刺の部分の拡大

 接写してみるとタンポポの実には鉤型の刺がある!! さっそくビロードのような繊維の細い布に押し付けてみるとしっかりとまる。 この刺でネズミや小鳥に引っ付いて運ばれようと言う作戦だろうか?  落下傘部分も布に付き易い。 小鳥や小動物が砂浴びをする時体に付けたり、大型の鳥が飛行中に飛んでいる種を羽に引っ掛けるというのも在り得る事だと思う。

 テレスコマイクロに付属レンズを付けるとさらに拡大できる。 今のところ照明設備の不足で焦点深度が浅くこれが限界です。 鳥の羽にタンポポの種を刺してみるとかなりしっかり止まる、小鳥が砂浴びする時羽に刺さり込んで長距離飛行することも可能だと思う。 

冠毛の拡大、突起が多数ある
   タンポポ果実の冠毛を拡大してみるとさらに細かい棘のような突起があり多分これが付着の助けをしていると思う。 コウヤボウキの冠毛はもっとはっきり沢山の分岐を持っている。

 やはりタンポポは風散布のほかに鳥や哺乳動物による付着散布にも依存していると考えて良いだろう。

 フキの種は長い白い冠毛を持つが種は干したダイコンのような皺は在るが刺は無い。 アザミの種は刺が無い。 ブタナ(タンポポに良く似た枝分かれする花茎を持つ植物)の種もタンポポと同じような鉤型の刺を持つ。 タンポポがどのように進化してきて落下傘や刺を持つに至ったの菊科植物の種にこだわってみた。

セイタカアワダチソウの果実  約10倍
   セイタカアワダチソウの果実は草が枯れても飛ぶ様子が無い、軸は無いがタンポポ類似のパラシュートを持っている。 写真を良く見ると種子の表面に白い毛が生えているのが判る、動物に付着して運ばれるのを待っているのでは?

 セイタカアワダチソウの枯れた中を通ると綿毛の付いた果実がいっぱい付く。 

 菊科の木であるコウヤボウキの種子は大きく重い、落下傘は有るが直ぐ落ちる、これは動物に付着し運ばれるのが主ではないだろうか。

 菊科にはアメリカセンダングサ、コセンダングサなど付着して運ばれるための棘を発達させたものもある。

     
マアザミの果実  ほぼ実物大
   飛ぶための専門家は無いだろうか?

 探していたらあった! マアザミの冠毛は細かい毛が生えて空気を捉えるのが抜群、コンナ写真を撮る間も撮影者の体の動きで出来た風でスーッと動いてしまう。  飛ぶために進化するなら当然こうなるべきだ。

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