■靖国神社参拝
Aさん
メールを有難うございました。
野田聖子サンに関する当コラムの記事について、「自分は夫婦別姓制度には賛成しかねるけれども、野田議員は国を思ふ立派な政治家である。そのへんの左翼のフェミニストとは訳が違ふ」といふ御趣旨でした。
そして、Aさんは、野田サンが国を思ふ政治家である理由として、毎年靖国神社に参拝してゐることや、皇室に対して尊崇の念をもつてゐることを挙げてをられます。
たしかに野田サンは郵政大臣在任中の、平成11年と12年の8月15日に靖国神社に参拝してゐます。これ以外の年にも毎年、靖国神社に参拝してゐると聞きます。おつしやるやうに、この点に関して、野田サンは実に立派な憂国の政治家です。
隣国の脅しに屈して8月15日に靖国参拝に参拝するといふ公約をあつさり反故にした見掛け倒しのライオン宰相に、野田サンの爪の垢でも煎じて飲ませたいほどです。
皇室尊崇についても、野田さんはホームページに次のやうに書くお方です。「昨年は皇太子様、雅子様に敬宮愛子様がご誕生され、あまり明るい話題のなかった20011年の日本に、最後になって、一条の光を見出したような思いです。」
この点に関しても、内親王の御生誕に際して、「新しい生命の誕生は、ひとしく喜ばしいことです」といふ白々しいコメントを出した日本共産党に比べたら(かういふのをサヨク小児病と言ふのでせう)、野田さんは常識に富んだ立派な政治家です。
■夫婦別姓が実現して国家は安泰です
さて、そこで私は考へてみました。
野田サンはこれまで毎年、靖国神社に参拝する時に、英霊の御霊に向かつて、どうぞ安らかにお眠り下さいと祈つてきたに違ひない。国政の重責を担う立場の人間として、靖国の神々に対し、何事かを御報告してきたかもしれません。
それで、考へるだに恐ろしい事ですが、今年の通常国会で民法改正法案が成立して夫婦別姓制度が実現したとしませう。その場合、野田さんは夫婦別姓制度実現の大功労者です。永年にわたる御自分の努力が実つて夫婦別姓制度を実現された野田サンの喜びは察するに余りあります。
さて、国会が閉幕して8月15日を迎へると、野田サンは例年のやうに靖国神社に向かふはずです。その時、野田サンは神前に一体なにを御報告されるのでせう?
「皆様方の御加護の下、お蔭様をもちまして、民法を改正して夫婦別姓を実現することができました。夫婦・家族はこれで安泰、国家も安泰です。皆様方の死を決して無駄にすることは致しません。どうぞやすらかにお眠り下さい」
たとへばこんな風に御報告されたとしたらどうでせう。靖国二百四十六万余柱の御霊がやすらかに眠れると思はれますか?
英霊のうちに夫婦別姓制度を望んでをられる方がゐるとはとても思はれない。戦後五十年。憲法改正未だならないうちに、押し付け憲法とともに生まれた現行民法がさらに改悪されて夫婦別姓制度が登場する。まさに悪夢! こんな報告をされて、英霊が安心して眠れるわけがない。
ああ、なんといふ罪深い所業でせう! こそこそ8月13日に参拝した小泉さんや、神道儀礼を無視して靖国神社を冒涜した中曾根さんなどより、よつぽど罪深い所業といへるかもしれません。
■プリクラ切手・児童ポルノ・国会保育室
たしかに野田サンは立派な政治家です。郵政大臣時代には、年賀葉書に「サザエさん」の絵を入れるよう提案し、画期的な「アニメ入り年賀葉書」を実現させました。
それから、プリクラの機械で顔写真入り切手がつくれる「プリクラ切手」も提案し、大変なアイデアマン、ではない、アイデアウーマンぶりを発揮しました。(もつともこのアイデアは切手が偽造される恐れありとの理由でボツになりましたが)。
それから今熱心に取り組んでをられ政策をみても、野田サンが立派な政治家であることが分かります。
例えば、児童買春・児童ポルノの問題。児童買春や児童ポルノは「子どもの商業的性的搾取」であるから、その根絶を目指すといふ活動です。平成11年には「児童買春、児童ポルノ等の行為に係る処罰及び保護等に関する法律」といふ法律が国会を通りましたが、この法案成立に中心的役割を果たした一人が野田サンでした。
「国会に保育室を!」といふ運動にも情熱を傾けてゐます。超党派の国会議員でつくる「国会に保育施設を!推進議員連盟」の会長も勤めてをられるほどです。
プリクラ切手に、児童ポルノに、国会の保育室! さすがに将来の総理大臣を嘱望される野田サンです。「自民党のオジサン議員」の発想ではとても出てこない。
■フェミニズム内閣
前にも書いた野田サンの政策秘書をしているフェミニストの妹さんは、ある雑誌で社民党の福島瑞穂サンの秘書と対談してをります。そして夫婦別姓の話やフェミニズムの話で大いに盛り上がつてゐます。
福島サンは社民党の幹事長です。10年後には社民党の党首になつてゐるかもしれない。その頃、わが野田聖子サンは総理大臣になつてゐるかもしれません。野田サンと福島サンが組めばきつと強力なフェミニズム連立内閣ができあがるでせう。
このお二人の辞書には、防衛、外交、危機管理といふ言葉はありません。ですからテポドンが飛んできても、同時多発テロが起きても、大地震が起きても、この内閣は一切動じない。そんな時にも、ジェンダーフリーや、ドメスティックバイオレンスや、セクシャルハラスメントや、買春や、国会の保育室や、つまりフェミニズム拡張政策に専念してくれるはずです。
Aさんが、それでも選挙において野田サンを支持なさるといふなら、どうぞ御自由にと申し上げるよりほかありません。
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