障害者差別禁止条例は鳥取県条例と
 同類の人権ファシズム条例である


 



  鳥取県の人権救済条例は凍結された。一方、千葉県では障害者差別禁止条例案が二月県議会に上程され、議会で審議が始まろうとしている。

 千葉県の条例の正式名称は「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例案」という。いかにも堂本が考えそうな、県民をたぶらかすのにふさわしい名称だ。

 当初の名称は「障害のある人に対する理解を広げ、差別をなくすための条例」だったが、堂本は鳥取県の人権救済条例の成り行きを見て、「差別をなくすための」という文言をなくしたのだ。いかにも機をみるに敏なフェミナチ知事らしい。

 鳥取県の人権救済条例と千葉県の障害者差別禁止条例は、名称こそ違え、まったく同じものである。言ってみれば、鳥取県の人権救済条例は人権総合条例、千葉県の障害者差別禁止条例は人権個別条例だ。堂本が障害者差別禁止条例によって目論んでいるのも、「人権差別禁止条例」にほかならない。

 千葉県男女共同参画条例が平成15年4月に廃案になったあと、堂本が虎視眈々と狙っていたのが、「人権差別禁止条例」の制定だった。

 しかし、千葉県男女共同参画条例問題で暴露された札付きのフェミナチ知事が人権差別禁止条例案を作成しても、県議会で成立する可能性はゼロパーセント。そこで、堂本が目をつけたのが、障害者差別禁止条例なのだ。障害者を正面に押し立てれば、人権ファシズム条例の批判をかわすことができるという計算である。

 以前、当コラムで、「女性・子供・同性愛者を人権亡者に」「人権サヨク思想に染まる千葉県政」「千葉県人権施策基本指針の危険性」http://homepage2.nifty.com/antifemi/kiji52.html という記事を書いた時に指摘しておいたが、堂本が「千葉県人権施策基本指針」を策定した時から、狙いを定めていたのが障害者差別禁止条例だった。

 この人権ファシズム綱領とも言うべき千葉県人権施策基本指針
http://www.pref.chiba.jp/syozoku/c_kenfuku/jinken/chibazinkenkihon.html
 を読めば、堂本の考える人権の全貌が見えてはずだ。千葉県人権施策基本指針は、女性の人権、子供の人権、同性愛者の人権、性同一性障害者の人権、外国人の人権、ホームレスの人権と人権のオンパレード。人権サヨク・フェニズムのあらゆる主張が人権の糖衣の下に詰め込まれている。基本指針が掲げる「人権」の数々を見よ。

 ◎女性の人権
 ◎子どもの人権
 ◎高齢者の人権
 ◎障害のある人の人権
 ◎被差別部落出身者の人権
 ◎外国人の人権
 ◎ハンセン病元患者等の人権
 ◎HIV感染者等の人権
 ◎性同一性障害のある人の人権
 ◎同性愛者の人権
 ◎ホームレスの人権
 ◎中国残留孤児の人権
 ◎犯罪被害者とその家族の人権
 ◎被拘禁者の人権
 ◎刑を終えて出所した人の人権

 さて、千葉県障害者差別禁止条例案には、次のような文言が至るところに出てくる。

《すべて障害のある人は、障害を理由として差別を受けず、ありのままに、その人らしく、地域で暮らす権利を有する。》

《障害のある人に対する差別をなくす取組は、差別の多くが障害のある人に対する誤解、偏見その他の理解の不足から生じていることを踏まえ、障害のある人に対する理解を広げる取組と一体のものとして、行われなければならない。》

《障害のある人に対する差別をなくす取組は、差別をする人と差別をされる人という対立の関係を克服し、すべての人がその人の状況に応じて暮らしやすい社会をつくるべきことを旨として、行われなければならない。》

《障害のある県民及びその関係者は、基本理念にのっとり、障害のあることによる暮らしにくさを表現し、周囲の人に対して積極的に伝えるよう努めるものとする。》

 これらの条文にある「障害のある人」を、千葉県人権施策基本指針にある他のジャンルの「被差別者」に置き換えてみよう。

▼すべて同性愛者である人は、同性愛者であることを理由として差別を受けず、ありのままに、その人らしく、地域で暮らす権利を有する。

▼HIV感染者に対する差別をなくす取組は、差別の多くがHIV感染者に対する誤解、偏見その他の理解の不足から生じていることを踏まえ、HIV感染者に対する理解を広げる取組と一体のものとして、行われなければならない。》

▼ホームレスに対する差別をなくす取組は、差別をする人と差別をされる人という対立の関係を克服し、すべての人がその人の状況に応じて暮らしやすい社会をつくるべきことを旨として、行われなければならない。

▼性同一性障害のある県民及びその関係者は、基本理念にのっとり、性同一性障害のあることによる暮らしにくさを表現し、周囲の人に対して積極的に伝えるよう努めるものとする。

 同性愛者でも、HIV感染者でも、ホームレスでも、性同一性障害でも、まったくそのまま通用することが分かると思う。通用するはずである。他の「被差別問題」に関する条例にも流用できるように作ったものなのだから。障害者は単にダシとして使われているにすぎない。

 たしかに条文には、障害者施設だとか学校の問題だとかも出てくるが、それら障害者固有の問題はごくわずか。条文の大半は「被差別者」に共通するテーマに費やされている。

 例えば、「障害差別解消委員会」の次の条文などは、「同性愛差別解消委員会」でも「「ホームレス差別解消委員会」でもそのまま使えるし、勧告・公表以下の条文にしても、同性愛差別でもホームレス差別にでも使えるようにできている。

《(5) 勧告等
 ア:委員会は、差別をしたと認められる者が正当な理由なく当該助言又はあっせんに従わないときは、知事に対して当該差別を解消するよう勧告をすることを求めることができる。
 イ:知事は、アの求めがあった場合において、本条例に規定する差別をしたと認められる者に対して、当該差別を解消するよう勧告をすることができる。この場合において、知事は、アの求めを尊重しなければならない。
 ウ:知事は、正当な理由なく調査を拒否した者に対して、調査に協力するよう勧告をするものとする。
(6) 公表
 知事は、正当な理由なく、関係者が出席を拒み、説明をせず、若しくは虚偽の説明をし、若しくは資料を提出せず若しくは虚偽の資料を提出したとき、又は勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。
(7) 意見の聴取
 ア:知事は、勧告又は公表を行う場合には、あらかじめ、期日、場所及び事案の内容を示して、当事者又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。
 イ:ただし、これらの者が正当な理由なく意見の聴取に応じないときは、意見の聴取を行わないで勧告又は公表をすることができる。
(8) 訴訟の援助
 知事は、障害のある人が、差別をしたと認められるものに対して提起する訴訟が助言又はあっせんの審理を行った事案に係るものである場合であって、委員会が適当と認めるときは、当該訴訟を提起する者に対し、当該訴訟に要する費用の貸付けその他の援助を行うことができる。》

 人権擁護法案にせよ人権差別禁止条例にせよ、その目的とするところはただひとつ。差別を「糾弾」する仕組みを行政機構の中にビルトインすることである。行政機構の中に様々なレベルの装置や仕掛けが張り巡らされ、糾弾する側がそれらを通じて行政機構の中に入り込むという構造だ。堂本が作成した障害者差別禁止条例にはこれらの差別糾弾装置がすべて盛り込まれている。

 堂本が障害者差別禁止条例において企図したのは、人権ファシズム条例のモデルをつくることだった。一度、モデル条例ができてしまえば、あとはこっちのもの。同性愛者差別禁止条例でも、ホームレス差別禁止条例でもいくらでもつくることができる。他府県でも千葉県条例をモデルにしてHIV感染者禁止条例やら性同一性障害やらを次から次へとつくっていくだろう。罰則も強化されていくだろう。それこそが堂本が企図したことである。

 繰り返すが、鳥取県の人権総合条例も、千葉県の人権個別条例もまったく同じものである。鳥取県の人権救済条例は悪いが、千葉県の障害者差別禁止条例は障害者に限定しているから問題がないなどというウソにどうしてみんな騙されてしまうのだろう。

い。


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