■国民が箸をつけない夫婦別姓
さて今日は腐つた魚を吟味するとしよう。
この魚はこれまでも食卓に運ばれてきたが、テーブルのだれもが「クサイ」と箸もつけなかつたので、そのまま下げさせた。ところがその後も同じ魚が何度も食卓にのぼるので、もうみんなこの魚の顔を見るのもイヤになつてゐる。
ところが、「今度のは絶品ですよ」と、また運んできたのだ。箸をつけると・・・・・・・やつぱりクサイ! 味付けは少し変へてあるが、やつぱりむかしのあの腐つた魚だ!
腐つた魚は「選択的夫婦別氏制度に関する審議の中間まとめ」といふ深海魚。腐つた魚を出してきたのは「男女共同参画会議・基本問題専門調査会」といふ化石化したフェミニスト集団。この集団の厨房は狂牛病より恐いフェミナチ・ウィールスに感染してゐるといふ(ウワサだ)。
はて、夫婦別姓といふこの腐つた魚はこれまで何度食卓に上つてきたのか?
・第1回目 (平成6年)
法制審議会「民法改正要綱試案」
・第2回目 (平成7年)
法制審議会「婚姻制度等の見直し審議に関する中間報告」
・第3回目 (平成8年)
法制審議会「民法の一部を改正する法律案要綱」
それでまた今後、「選択的夫婦別氏制度に関する審議の中間まとめ」(平成13年10月)といふ、むかしの名前で登場したわけである。腐るはずだ。出すたびに国民から食べるのを拒否されてきた「腐つた魚」!
(以下、【 】の部分が「腐つた魚」の主張。その下が吟味役評定である。)
【昭和54年に国連で女子差別撤廃条約が採択されたことは、選択的夫婦別氏制度の導入意見に一層拍車をかけることになった。】
本当のことをいふと、国連が日本の姓氏制度を問題にしたことなど一度もない。男女共同参画会議・基本問題専門調査会の議事録にもかうある。
「1月の国連の規約人権委員会の改善勧告の中で、明らかに日本の民法条項が問題になっている。別氏の問題ではないのですけれども、再婚禁止期間であるとか結婚最低年齢であるとか非嫡出子の問題であるという形で改善勧告がされているのを多分受けて・・・・」《第3回基本問題専門調査会における伊藤公雄委員(大阪大学教授)の発言》
つまり国連が問題にしてきたのは再婚禁止期間、結婚最低年齢、非嫡出子だけ。男女まつたく中立的な規定である日本の夫婦同姓制度については国連も文句のつけようがなかつた。
そこで国連を愛する委員たちはどのやうな結論を出したか?
「夫婦別姓制度に絞つて世論を強行突破せよ!」だつた。再婚禁止期間、結婚最低年齢、非嫡出子の問題は先送り。気の毒に国連の勧告は無視されてしまつた。
【しかしながら、夫婦の97%において妻が改姓しているという社会的事実の下で・・・・・夫婦同氏が強制される制度によってとりわけ女性が様々な場面で不利益を被っており、このことは男女共同参画社会の形成の基本理念からも憂慮される。】
今の女性は「強制結婚」させられてゐると言ひたいらしい。慰安婦が「強制連行」させられたみたいに。自由意思で結婚する女性に対するなんといふ冒涜! 夫婦同姓制度の下で、毎年80万組が結婚してゐるといふ社会的事実は、「強制されてゐる」といふ意識が女性に存在しないことを示してゐる。
【また、両家が氏を存続させることを希望することから、長男・長女同士等の婚姻の妨げとなっているとする事例も寄せられており、夫婦同氏制度は婚姻の自由や少子化への対応の観点からも問題があるとの指摘もある。】
少子化で一人っ子家庭が増えるから、夫婦同姓は一人息子と一人娘の結婚の障害になるといふ詭弁。夫婦別姓は少子化対策に役立つといふ詭弁。
少子化が進んでゐるのは未婚が増えてゐるからだが、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計(平成10年10月推計)」によると、25歳以上の未婚者が独身にとどまつてゐる理由は、
〈男子〉
第1位「適当な相手にまだめぐり会わない」(46%)
第2位「結婚する必要性を感じない」(33%)
第3位「独身の自由さや気楽さを失いたくない」(30%)
〈女子〉
第1位「適当な相手にまだめぐり会わない」(52%)
第2位「独身の自由さや気楽さを失いたくない」(38%)
第3位「結婚する必要性を感じない」(35%)
であつた。
なんともパラサイトシングル時代にふさわしいノンキな理由ばかり。姓だの家の都合で結婚ができない女性なんかどこにも出て来ない。姓を変へるのがイヤで結婚できない女性は、多分日本に5人位しかゐない。
ついでに言ふと、少子化が進んでも一人っ子家庭が増えることはない。夫婦が一生のうちにつくる子供数「完結出生児数」は2・2で、昭和40年代後半からほとんど変はつてゐない。子供は2人といふスタイルは完全に定着してゐる。
【これまで政府は、国の行政機関の職員の旧姓使用を認める(平成13年10月1日施行)など、選択的夫婦別氏制度が導入されていないことに伴う不利益の軽減に努めてきた。しかし、いまだ住民票、運転免許証等、多くの公的場面で旧姓の通称使用は認められていない状況にある。】
旧姓の通称使用の普及に消極的だつたのは誰だつたのか忘れたらしい。女性たちが通称使用で満足してしまつたら、夫婦別姓なんかどうでもよくなる。別姓論者たちが心配してゐるのはこの事だつた。ペットボトルの水を飲んで満足されては困るのだ。川まで連れて行つて腹いつぱい水を飲ませなければならない。その後は、川に突き落とす楽しみが待つてゐる。
【夫婦同氏を規定する民法第750条については、近時の人権概念の拡大・進展及び人権意識の高まりの中で、憲法とのかかわりにおいても問題があるのではないかとの憲法学の立場からの指摘もあり、少なくとも立法政策上考慮されるべきではないかと考えられる。】
この文章を分かりやすく翻訳すると、かういふこと。夫婦同姓を規定する民法第750条は婚姻の自由に対する制約だから憲法違反である、と。基本問題専門調査会委員の三流憲法学者の主張でもある。
民法第750条が憲法違反なら違憲訴訟でも起したらどうか。最高裁判事がいくらリベラル化しても、民法第750条が憲法違反であるといふ判決は出しにくいだらう。合憲判決が出る。すると民法第750条は不動の条文になる。
【当専門調査会は、家族の一体感(絆)にとって最も大切なことは、同氏という形式ではなく、愛情や思いやりといった実質であると考える。今日夫婦は対等なパートナーとして互いに尊重し合うことによって、深い理解と愛情が育まれるものと考える。】
【家族における子どもの安心感にとって重要なものは、親子間の対話や愛情であって、親子が同氏であることではないと考えられる。】
【家族の一体感(絆)にとって最も大切なことは同氏という形式ではなく愛情や思いやりといった実質であって、選択的夫婦別氏制度の導入は不仲や離婚とは別個の問題であると考えられる。】
夫婦の愛情と思ひやり! 親子間の対話と愛情! 夫婦別姓になつても、親子別姓になつても、愛情と思ひやりさへあれば心配はいらない。フェミニストの大好きな「愛があるから大丈夫なの♪♪」といふ歌である。「愛があるから大丈夫」なら、愛がなくなつたらどうする? 世間の夫婦の多くは愛がない状態でもなんとか持ちこたへてゐる。法律にすがつて。
【子どもへの影響に対する懸念は、政府が制度の趣旨や意義について適切に広報活動を行うとともに、多様性を認める教育など、社会全体が子どもへの影響について十分配慮することによって払拭されていくものと考えられる。】
政府が夫婦別姓について適切に広報活動を行へば、別姓に対する懸念は払拭されると主張する。
「国民の皆様、夫婦別姓は決して体に害はございません。安心して服用して下さい。」
どこかで聞いたことがあるセリフだ。ああ、あれか!
「国民の皆様、狂牛病の被害は一部の牛だけでございます。安心して牛肉をお食べ下さい。」
【諸外国の法制を見ると、近年選択的夫婦別氏制度の導入が進んできており、今日では主要な先進諸国において、夫婦同氏を強制する国は見られない。】
日本と同じやうに夫婦同氏しか認めない国としてはインド、タイ、トルコがあるといふ。主要な先進諸国においては夫婦同氏を強制する国は見られない。だからインド、タイ、トルコは主要でない後進国。夫婦同姓なんか続けてゐる日本もインド、タイ、トルコ並みの後進国。この高慢な後進国蔑視思想!
他方、夫婦同姓を認めている国としてあげてゐるのが、韓国、シンガポール、スペイン、中国、フランス、ドイツ、オーストラリア、スウェーデン、デンマーク、オランダ、ハンガリー、スイス、ポーランド、イギリス、アメリカ、カナダ。
このうち韓国、シンガポール、スペインは夫婦同姓は禁止されてゐるのだから論外。夫の氏が不変といふ原則があるオランダ、ハンガリー、スイス、ポーランドだつて男女平等ぢやない。つまり、なんらの留保なしに別姓を認めてゐる国はほとんどない。別姓が可能といふけれど、各国とも歴史的な背景を引きづつてゐて、男性にやや優位な制度になつてゐる。結局、姓氏制度でまつたく留保なしに男女中立の規定を設けてゐるのは、日本がほとんど唯一といふ結論に達する。
同時多発テロの後、オサマ・ビンラーディンの名前で、世界中のマスコミは首をひねつた。ビン・ラーディン(ラーディンの息子の意)のビンは名前に含まれるのか、文字通り「息子」の意味で使つてゐるのか(藤原孝標女のやうに)。地球上の民族の名前の慣行なんて千差万別、民族の数だけ種類がある。
世界には姓なんかない民族はいつぱいあつて、そんなところでは夫婦別姓にもなりやうがない。さういへば男女共同参画会議が出してきた例にはイスラム諸国がないけれど、イスラム各国は夫婦別姓なのか? ビンラーディンの4人の妻の姓名は? アフリカ諸国は夫婦別姓なのか? 南米諸国は?
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かうしてゐる間にも、魚は腐敗の足をますます早めてゐる。食はせる方も、早く食はせようと必死である。無理やり口をこじ開けて飲み込ませようとする。嘔吐を催さうが下痢をしようが構つたものぢやない。「そんなもの食つたら死んでしまふ!」と叫んでもムダである。これを食はせたい人は、食つた人を死なせるのが目的なのだから・・・・・。
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