W しゃがむ深さ


 「しゃがむ深さ」というのはスタンスと対になって、スクワットのトレーニング効果をほぼ決定づけるぐらい大事なものです。 

 それにも関わらず「脚の筋量を増したい」という一般トレーニーでさえ、挙上重量ばかりに目がいってしまい、「しゃがむか・しゃがまないか」ぐらいの深さで高重量を扱いたがります。しゃがむ深さに全く感心が無いのですね。それで「どうだ!! すごいだろう!!」と言われてもねー・・・・ (考えて下さいよ。「クォーター」ぐらいのしゃがみで200kg前後の挙上は、ちょっとトレーニングやっていれば出来てしまいますよ。全然すごくない。)
 
 スクワットにおいて認識していただきたいのが、一番重要なことは「しゃがむ深さ」ありきということです。しゃがむ深さに比例して、脚・臀部に加わる刺激も増していきます。重量は二の次ですね。ですから「クォーター」の深さのスクワットと「パラレル」の深さのスクワットでは「同じスクワット動作でも、全く別の種目」という感覚が必要です。

 もう一度考えてください。自分自身は「どの効果を必要としているのか。それにはどの深さのしゃがみが適しているか・どれくらい深くしゃがむことが必要なのか」ということを。


 スタンスの決定が先か、しゃがむ深さの決定が先か・・・・。この問題は非常に難しい・・・。まあ一つ言えるとすれば、スタンス・しゃがむ深さのそれぞれの特性、長所・短所、フォームのバランスなどを考慮し、複合的・3次元的に判断して、少しずつ、スタンス・しゃがむ深さを微調整していくのが一番いいんじゃないんでしょうか。

 私の方法としては、最初にしゃがむ深さを決定してから、安定性・フォームのバランス・力の入れやすさを考慮してスタンスを決めていきますね。
 


クォーター
クォーターSQ  この画像はしゃがむ深さが四分の一(quarter)、膝の角度は110°の「クォーター」のしゃがみです。

 広い範囲の関節角度での筋力を高めたり、筋量を増やすという目的では、適切ではありません。

 またこのしゃがみでは、太もも前面(大腿四頭筋)は鍛えられますが、太ももの後面(ハムストリングス)・お尻(大殿筋)にはあまり刺激が入りません。

 ただ実際の競技スポーツの局面では、この関節角度での動作が多いため、競技動作を考えた筋力向上トレーニングに向いています。
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ハーフ
ハーフSQ  この画像は、膝の角度が90°の「ハーフ」の深さまでしゃがんだフォームです。

 「クォーター、ハーフ」といったしゃがみは、太もも後面(ハムストリングス)・お尻(大殿筋)などの筋に対する刺激が、最高潮に達する前に立ち上がってしまいますので、太もも後面・お尻を鍛えるという意味からすると適切なしゃがみではありません。太もも前面のトレーニング効果だけを頭に置いておいた方が良いでしょう。

 スクワットのトレーニングをやっている人のほとんどは「クォーター」か「ハーフ」までしゃがんでいる場合が多いようです。
(ここから少しでも深くしゃがむと、いきなりトレーニングの強度が増してきます。また一般の方がよく言う「これ以上深く下げると、力が抜けそう」という感覚からか、大抵の人はこれ以上深くしゃがめない場合がほとんどですね)
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パラレル
パラレルSQ  この画像は、床と太ももが平行の「パラレル」の深さまでしゃがんだフォームです。この「床と太ももが平行のところで止めて立ち上がる」という動作は、5種目のしゃがみの中で一番きついものになります。

 その代わり、ここまでしゃがむと太もも前面(大腿四頭筋)・太もも後面(ハムストリングス)・お尻(大殿筋)に一番刺激が入ります。(太ももの裏とお尻の筋の盛り上がりに注目せよ)

 オールマイティーな要素で太もも・お尻の筋力を強くする、筋量を増やすという意味においては、ここまでしゃがむのが理想でしょう。
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フル フルボトム
フルSQ フルボトムSQ
 この画像は、太ももが床と平行以下の角度の「フル」までしゃがんだフォームです。

 このしゃがみでは、太もも前面(大腿四頭筋)はもちろん鍛えられますが、太もも後面(ハムストリングス)・お尻(大殿筋)に加え、内もも(内転筋群)にも刺激が入り、鍛えられます。

 対人系の競技ではスタンスを広く構え、ここまでしゃがむスクワット動作を、補強トレーニングとして多少混ぜた方が良いでしょう。

 また「パワーリフティング」競技では、ここまで深くしゃがまなくてはいけません。
 この画像は、太ももの裏とふくらはぎが触れるまでしゃがんだ「フル・ボトム」のフォームです。

 「フル、フルボトム」までしゃがむようになると、膝関節への負担は大きくなってきます。

 特殊な効果を目的としたトレーニングやウェイトリフティングなどの競技をやらない限り、ここまでしゃがむ必要は無いでしょう。
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 実際の現場で用いられている"しゃがみ"は「クォーター」から「パラレル」までの三つの"しゃがみ"だと思います。「競技動作などの補強」ということを無視して、オールマイティーに脚・臀部を鍛えるということであれば、「パラレル」の深さまでしゃがむことを私はお奨めします。ただスクワット動作に慣れていない時期から「パラレル」の深さで行えというのも、酷な話なので最初は「ハーフ」ぐらいの深さから始めて、徐々に深くしていくのが良いでしょう。

 「フルボトム」のようなしゃがみは膝の関節などの負担を考えると、特殊なトレーニング効果を狙ったり、ウェイトリフティングなどの競技を行っていない限り使用する必要は無いと思います。

 しかし「フル」のしゃがみは内もも(内転筋群)が鍛えられますし、ラグビー(スクラム)や相撲、レスリングなどの対人系競技の補強トレーニングとして有効です。スタンスとあわせて考えて考えていくと良いでしょう。



 以上のように各種しゃがむ深さにも、それぞれの特性、長所・短所が存在します。一覧表にまとめました。
しゃがむ深さの特性、長所・短所
しゃがみの種類 太もも前面
(大腿四頭筋)
太もも後面
(ハムストリン
グス)
お尻(大殿筋) 内もも(内転筋
群)
膝関節への
負担の少な
走・跳躍系競
技向
対人系競技向
クォーター × × ×
ハーフ ×
パラレル
フル ×
フルボトム × ×
◎・・・期待大
○・・・期待できる
△・・・それほど期待できない
×・・・期待できない

 まあ、V スタンス幅」の所でも一覧を書きましたが、私はこういうふうに「一覧に、おおざっぱにまとめる」というのがあまり好きではありません。なぜなら「トレーニングというものを、こんなにすっきりさっぱり分けられるハズが無い」と思っているからです。トレーニングというのはもっと複合的・多角的・有機的に絡み合っていますから。ですからこの「しゃがみの深さの特性、長所・短所」も「スタンス幅」によって変化するし、「スタンスの特性と長所・短所」も「しゃがむ深さ」によって左右されます。

 しかし目安としてはこの「一覧」という表し方は、比較しやすく、分かりやすく、すっきりしていていいですね。








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