V スタンスの幅



 スクワットにおいて、スタンス (足幅) は、その効果やフォームのバランスを左右する重要なものです。スタンスと次に話す「しゃがむ深さ」は密接に関連しています。例えば「このスタンスでは、ここまでの深さはしゃがめない」など問題が発生してくるからです。

 スクワットのトレーニング効果は「スタンス」と「しゃがむ深さ」でほぼ決定されます。しかもスタンスによって、しゃがむ深さもおのずと決まってくる・・・。

 各種ファクターやトレーニング目的・身体の柔軟性を考えて、慎重に自分に一番合ったスタンスを選択してください。


ワイドスタンスSQ スタンダード・スタンスSQ1
ワイドスタンスSQ・スタート位 スタンダードスタンスSQ1・スタート位
ワイドスタンスSQ・中間位 スタンダードスタンスSQ1・中間位
 この画像は、肩幅よりかなり大きく脚を広げて構えた(青線が肩幅)「ワイドスタンス・スクワット」のフォームで、特徴はフォームの安定感が高いことと、深くしゃがめることです。

 このフォームで特に鍛えられる場所は太もも前面の外側(外側広筋)・太ももの後ろ(ハムストリングス)・内もも(内転筋群)・お尻(大殿筋)です。また挙上フォームによっては背筋群の共同も起こります。

 このように他のスタンスに比べて、たくさんの筋が挙上に使用されるので、高重量の挙上に向いています。パワーリフターが好んで使っていますね。(私もこのスタンスです)

 この画像はほぼ肩幅(少し肩幅より広い)に脚を広げて構えた「スタンダードスタンス・スクワット」の少し広めのタイプのものです。

 以下に表としても示しますが、いろんな特徴・特性のバランスが取れていて、オールマイティーな感覚で使用することが出来ます。お奨めです。
 
表へ!!


 上の二つのスタンスは、肩幅よりスタンスを広く構えたものです。これらのスタンスを広く取った場合の利点としては、踵が浮きにくくなるので、足首の関節が硬い人に向いていることと高重量が扱えること「パラレル」「フル」の深さまで容易にしゃがむことが出来ることでしょう。またラグビー(スクラム)や相撲、レスリングなどの比較的足幅を広く取り、重心を下に落として人と対峙するような競技 (対人系競技) の補強トレーニングとしても向いています。(特徴については、下の一覧表でも書いてあります。)
  ちなみに身体の構造上、スタンスが広くなれば、爪先が外側に開く度合いも大きくなります。


スタンダード・スタンスSQ2 パラレルフィート・SQ
スタンダードスタンスSQ2・スタート位 パラレルフィートSQ・スタート位
スタンダードスタンスSQ2・中間位 パラレルフィートSQ・中間位
 この画像は肩幅のライン上に脚を広げて構えた「スタンダードスタンス・スクワット」の少し狭めタイプのものです。

 足首・股関節の柔軟性が無い人に、これ以下の足幅でスクワットをさせると、上体の前傾が顕著になってきます。

 足首の柔軟性が低下している人に、パラレルの深さまでしゃがませると、踵が浮いてくることも多いです。

 また「ワイドスタンス、スタンダードスタンス1」の足幅と比べると、膝が前方に出やすくなって(骨盤が後ろに移動しにくくなる)、お尻の筋(大殿筋)・太ももの後面の筋 (ハムストリングス)の活動は減ります。それによって太もも前面の筋に刺激がいくようになってきます。
 この画像は完全に足を揃えて構えた「パラレルフィートスタンス・スクワット」という特殊なスクワットです。特徴としては太もも前面の筋に刺激が入ります。また安定感に乏しく、高重量は扱えません。

 足首・股関節の柔軟性が乏しい人には不向きで、上体の前傾が顕著になります。

 大抵の人は、このスタンスでパラレルの深さまでしゃがもうとすると、踵が浮くか上体の前傾が過剰になります。よって「ハーフ」「クォーター」の深さのしゃがみに向いているということになります。

 膝が前方に出やすくなって、お尻の筋(大殿筋)・太ももの後面の筋 (ハムストリングス)の活動が減り、それによって太もも前面の筋に刺激がいくようになってきます。

 足首がやわらかくて十分に膝が前に出せれば、太もも前面の筋を集中的に鍛えるために、ボディビルターが好んで使用する種目、「シシースクワット」と似た刺激を得ることが出来ます。
表へ!!
 上の二つのスタンスは狭めのものを挙げていますが、これらのスタンスの特徴としては「クォーター」「ハーフ」深さのしゃがみに適しているということです。裏を返せば「深くはしゃがむことには向いていない」ということですね。

 また、これらのスタンスの重心の移動からすれば「太もも前面」を優先的に鍛えるのに適しているということです。裏を返せば「太ももの裏・お尻の筋はあまり鍛えられない」ということですね。




 以上のように各種スタンスにはそれぞれの特性、長所・短所が存在します。一覧表にまとめました。
スタンスの特性と長所・短所
スタンスの種類 安定感 扱える
重量
フル
ラレル
SQ
向き
ハーフ
クォータ
ーSQ向き
太ももの
裏・臀部
を鍛える
太ももの
前面を
鍛える
脚・腰を
鍛える
脚だけを
鍛える
踵が浮く
上体の前
傾を防ぐ
走・跳躍
系競技向
対人系競
技向き
ワイドスタンス         
スタンダード1    
スタンダード2     
パラレルフィート × ×       × ×     
◎・・・非常に向いている
○・・・向いている
△・・・いまいち
×・・・向かない

 表を見ていただければ一目瞭然だとは思いますが、一番無難でオールマイティーなスタンス「スタンダード1」ということになります。ですから、まだあまりスクワットになれていない人に導入していく場合、「スタンダード1」ぐらいのスタンスで慣らしていって、徐々に色々なバリエーションのスタンスを取り入れていくのが良いと思います。

 また股関節・足首の関節のなどの柔軟性が低い人は、肩幅より少し広いスタンスのスクワットを導入していくと、上体の過剰な前傾や安定感を失うことなく、すんなりと入っていける傾向があります。ですから柔軟性が少ない人には広めのスタンスをお奨めします。








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