回顧録ギリシャ

ギリシャH〜考古学博物館

実は着いたばかりの町歩きの頃、バスを飛び降りて午後からふらっと考古学博物館に入っていきました。何の知識も持たずに、歴史も神話も何にもわからずに。

ふらっと入った世界的有名な博物館。見学者はたまに人にすれ違う程度で閑散としたものです。部屋ごと、ブロックごとに学芸員の人が壁側で椅子に座っています。どうせ知識もないことだし、感覚でみていこうと決めていました。3000年それよりもっと前の物が自分の目にどう映るのか、それとも全くさらっとみてしまうのか、自分でもわからない状態でした。

ある部屋では、大きめの石に絵柄を彫ったものが沢山飾られています。天使のように笑っている図、握手をしている図、戦っている図、家族写真のように家族が並んでいる図、優しい微笑を浮かべている図・・・。決して暗い内容じゃない、明るい絵柄も多いのになんだかもの悲しい、これをみて和むものではないような気がしていました。髪の毛が逆立つような、胸をおされるような。何千年も昔のモノなのに迫り来るものがあります。何だろう?そう、来る部屋も来る部屋も沢山並んだその彫り物たちはすべて墓石だったのです。生前のその人物を象徴した絵柄をいずれも墓石に彫刻してあるものでした。(ちなみにこれは霊感ではありません。ムジナがピースサインしてきても気づかずに通り過ぎるタイプ)

自分の無知をさらけ出すことになってしまい恥ずかしいんですが、考古学っていう物は基本的に何千年も前のお墓を掘り起こす作業なんですね。墓石ももちろんそうだけど、その後に展示されているアクセサリーも壺も土偶も、土の中にあったからこそきれいなカタチのままで残っているのです。

ここはふらっと入るには広すぎました。2,3時間じゃあとてもとても。1日中歩き回らないとムリです。そこでもう1度、今度はガイドブックなどでそれぞれの説明を多少なりとも読み込んだあとに、そして注目するものはどれなのかをチェックしてから来ようと決めました。

ヤーサス!ある20世紀の6月20日。翌日の早朝に日本に戻っていくので最終日となります。この日は迷わず考古学博物館に行きました。ガイドブックや解説書をひととおり目を通しておいて、これらを辞書代わりに持ったまま見学することにします。フラッシュさえたかなければ、写真撮影もOKなので写真も沢山撮りました。アーサー400で。

とりわけサントリーニ島で発掘されたアクロティリ遺跡の壁画には圧倒されました。サントリーニ島は長い歴史のなかで火山の噴火を何度も繰り返す火山島です。なかでも3500年前の噴火により島の中心部がごっそり沈み落ちてしまいました。残った部分も当時の生活がそのままの状態で一瞬にして火山灰に包まれたのです。

アフリカにいる青いサルの画*アフリカへの航海を示すもの

漁師(左)

ボクシングをする少年たち

以前ドキュメンタリーでその様子をみたことがあります。ある家の台所では食事の用意をしていた女性の陰が残っていました。また男たちが酒盛りをしていた形跡が灰に包まれていたりと、その跡形がところどころでくっきりと現れているのです。そんな火山灰の中で長い間眠っていたためにこの島の壁画たちは見事なまでに美しくその色彩が残されているのです。

その他銅像胸像も沢山ありました。なかでも美しいカタチのまま現在に残されているブロンズ像「馬に乗る少年」。アルテミシオン沖の海底より引き上げられた物です。そしてミヌの槍を投げようとしている「海の神ポセイドン」こちらはエヴィア島の海底から偶然見つけられました。いずれも非常に美しい状態で海底から発見されています。これらの物は国外に持ち出そうとした船が難破して海に放り出された物という説があるそうです。

馬に乗る少年の像

海の神ポセイドン

顔もドキッとするくらい迫力です

逆をいうと、イギリスの大英博物館には世界中からこうして持ち出された物が沢山飾られているんですね。パルテノン神殿もホントウは東向きに12メートルのアテナの女神立像が立っていたといいます。今はこれだけがコツゼンと大英博物館に飾られているようです。イギリスで突然見ても・・・。返してあげたらいいのにね。